
【2023年5月16日更新】
先日、私が購入したGalaxy S21 (SCG09)をAndroid 12 にアップデートしたところ、「AppCloud」がプリインストールされていることに気がつきました。
AppCloudとは、イスラエル・ironSource社のアプリ収益化プラットフォームのことです。別名、Auraとも呼ばれています。
サードアプリ製作者は、このプラットフォームを利用することで、ユーザにアプリのインストールを促すことができます。また、ユーザーの行動や、プレイ時間などのデータを取得して、アプリ内部の動きについての知見を得られます。
このAppCloudのせいで、私のGalaxy S21には不要なアプリがどんどん溜まっていっています。
このAppCloudは、Android 12 にアップデートしたau版 Galaxy S10 やau版 AQUOS sense5Gにもプリインされているそうです。
本記事では、Android 12 にアップデートした au 版スマートフォン にプリインストールされていることがある AppCloud を停止したり、アンインストールしたりする方法について述べます。
目次
ironSource社の「AppCloud」はどのような動作をするのか
AppCloudの具体的な動作は次のようなものです。
au 版 Galaxy S21 (SCG09)の設定を終了した瞬間に、AppCloudが立ち上がります。

ここでホームに戻ることはできません。
初期設定終了直後は、サードアプリ製作者にとってアプリをインストールしてもらえる良いチャンスと言えるでしょう。
このAppCloudの画面は、どこの会社のアプリかわからないよう匿名的にデザインされています。
画面左上に「規約」という、薄い灰色の文字ボタンがありますが、この利用規約を読んでやっとironSource社のアプリだとわかります。
「続行」をタップすると、性別や年齢層といったの詳細情報を要求してきます。

次へをタップすると、AppCloudがアプリをおすすめしてきます。
インストールを押すとダウンロードが開始します。この画面もどことなく匿名的です。
先ほどお薦めされたアプリがどんどんインストールされていきます。
何も考えずにぽちぽちやっていると、AppCloudによってこうなってしまいます。

Google アカウントも、Samsung アカウントも入れていないのに、私のGalaxy S21には勝手にアプリがインストールされました。
このアプリをインストールしたのは、Google PlayでもGalaxy Storeでもありません。これらアプリは一体どこからやってきたのでしょうか。
AppCloudをサムスンに聞いてみた
この奇妙なAppCloudについて、サムスンのサポートに問い合わせてみました。
すると、このAppCloudについて詳細な情報が得られました。
AppCloudは「正常」だと。それは仕様ではそうでしょう。
しかし、AppCloudはバックグラウンドで動作し、バッテリーを無駄に消費します。
メーカーにとっては「正常」であっても、ユーザにとってはとても正常とは呼べない代物です。こんなものを押し付けるのはやめていただいたい。
以下、AppCloud を停止したり、アンインストールしたりする方法について述べます。
AppCloudを無効にする方法
すでにau 版 Galaxy S21をAndroid 12 にアップデートしてしまったユーザの皆様に対して、AppCloudが通知をしたり、ユーザのデータを送信したりするのを止める方法について解説します。
ステップ1:「準備完了」という表示されるまで、Galaxy S21を通常通りセットアップします。
ステップ2:次の画面ではAppCloudが「あなたにぴったりのアプリをおすすめ」という表示を出します。
ここで、[続行] を押さないでください。画面右上に薄く書かれた [スキップ] をタップします。
ステップ3:「おすすめをスキップ」という表示が出たら [はい]をタップします。
Galaxyの設定が完了します。
設定>アプリからシステムアプリを表示します。
虫眼鏡アイコンから「AppCloud」を検索して、無効を押します。
これで無効化できました。
一点心配なのは、ソフトウェアアップデートがあればこれが有効になってしまいかねないことです。
AppCloudをアンインストールする方法
AppCloud自体を、無効ではなくアンインストールしてもOKです。
アンインストールには adb shell を利用します。この操作にはMacやPCが必要になります。
*adbについては本記事では紹介しません。あしからずご了承ください。
シェル内での構文は次のようになります。
adb shell pm uninstall --user 0 com.aura.oobe.samsung.gl
これで、AppCloudを au 版 Galaxy S21アンインストールできます。
*他メーカーでは、AppCloudは異なるパッケージ名かもしれません。aura とかoobe とかで検索すれば引っ掛かります。
ironSourceとサムスンのパートナーシップ
ironSourceを利用すると、サードのアプリ製作者はユーザの属性に応じたアプリを提案し、顧客を獲得することができます。
サードアプリ製作者にとっては良い話のように思われます。
サムスンは、ironSourceとのパートナーシップをより強固なものにしつつあります。

*ironSourceは、アプリ開発者に対して、AppCloudと提携して自社のアプリが最初にインストールされるようにしないかと呼びかけています。
これまでサムスンはAppCloudをGalaxy スマートフォンにインストールしてきましたが、低価格・中価格のGalaxyが対象でした。
今回、高価格の国内版Galaxy S21にAppCloudが搭載されたことを知り、私は少なからず驚いております。
最後に
以上、 AppCloud を停止したり、アンインストールしたりする方法について述べました。
au 版 Galaxy S21 (SCG09) をAndroid 12 にアップデートすると、AppCloudがついてきます。
AppCloudは、ユーザに不要なアプリを押し付け、バックグラウンドで動いてユーザの行動を監視します。
AppCloudは、本当にどうしようもないストーカーアプリです。不快で気持ち悪いこと、この上ないです。
KDDI様提供のプリインアプリ「App Cloud」が端末初期設定の中でアプリをインストールする流れがあるようです。
お客様へのおすすめアプリが表示され、デフォルトで複数のアプリが選択された状態になっており、画面を進めるため「インストール」を押すとそれらアプリがインストールされます。— FCNT株式会社 (@FCNT_Ltd) April 26, 2022
Galaxy体験を台無しにするようなAppCloudの搭載は直ちにやめるべきです。
まるで低価格を売りにする中国スマホのようではありませんか。
アプリをたくさんインストールさせることは、スマートフォンユーザの利益になっているでしょうか?
アプリをユーザに使わせて小金を稼ごうとするサムスンの姿勢を見るのは残念です。
私は二度と au版 Galaxy を買うつもりはありません。