【2024年4月6日更新】
私が購入したドコモ版 Galaxy S22 (型番 SC-51C)をAndroid 14 にアップデートしたところ、「AppCloud」がプリインストールされたことに気がつきました。
AppCloudとは、イスラエル・ironSource社のアプリ収益化プラットフォームのことです。別名、Auraとも呼ばれています。
このAppCloudのせいで、私のGalaxy S22には不要なアプリがどんどん溜まっていっています。
また、2023年9月に発売された Galaxy Z Fold5 、Galaxy Z Flip5 にもAppCloudがプリインストールされていることを確認しました。
他にも、Android 14にアップデートした Android ユーザからも「AppCloudが勝手にアプリをインストールし始めた!パケットが無駄に消費された」という怨嗟の声が聞こえてきています。
本記事では、Samsung GalaxyをはじめとしたAndroidスマートフォンにプリインストールされている AppCloud を停止する方法についてご紹介します。
まずAppCloudについて解説していますが、そんなことよりも、AppCloudを止める方法をすぐに知りたい方はこちらをタップしてください。
目次
ironSource社の「AppCloud」はどのような動作をするのか
AppCloudの具体的な動作は次のようなものです。
ドコモ版 Galaxy S22 (型番 SC-51C)の設定を終了するとAppCloudが出現します。
初期設定終了直後は、サードアプリ製作者にとってアプリをインストールしてもらえる良いチャンスと言えるでしょう。
このAppCloudの画面は、どこの会社のアプリかわからないよう匿名的にデザインされています。
画面下部に「利用規約とプライバシーポリシー」にリンクが目立たないように貼ってあります。この利用規約を読んでやっとironSource社のアプリだとわかります。
「続行」をタップすると、性別や年齢層といったの詳細情報を要求してきます。
次へをタップすると、AppCloudがアプリをおすすめしてきます。
インストールを押すとダウンロードが開始します。この画面もどことなく匿名的です。
先ほどお薦めされたアプリがスマホにどんどんインストールされていきます。
▼何も考えずにぽちぽちやっていると、AppCloudによってこうなってしまいます。
Google アカウントも、Samsung アカウントも入れていないのに、私のGalaxy S22には勝手にアプリがインストールされました。
アプリ情報を見ると「Galaxy Storeからダウンロードしたアプリ」とあります。
アプリをインストールした後も、AppCloudは常駐します。ユーザの行動を監視し続けているのです。
AppCloudをサムスンに聞いてみた
この奇妙で気色の悪いAppCloudについて、サムスンのサポートに問い合わせてみました。
すると、このAppCloudについて詳細な情報が得られました。
AppCloudは「正常」だと。それは仕様ではそうでしょう。
しかし、AppCloudはバックグラウンドで動作し、バッテリーを無駄に消費します。
メーカーにとっては「正常」であり「仕様」であっても、ユーザにとってはとても正常とは呼べない代物です。こんなものを押し付けるのはやめていただきたいです。
以下、AppCloud を停止したり、アンインストールしたりする方法について述べます。
(重要)AppCloudを停止する方法
AppCloudがプリインストールされているスマートフォンをお使いの皆様に対して、AppCloudが通知をしたり、ユーザのデータを送信したりするのを止める方法について解説します。
ステップ 1 「準備完了」という表示されるまで、スマートフォンを通常通りセットアップします。
ステップ 2 ネットワークに接続していない場合は接続します。
ステップ 3 設定>アプリ にある虫眼鏡アイコンから「AppCloud」を検索してます。画面下部の「無効」を押します。
これでAppCloudを無効化できました。
あとは自由にスマートフォンをお使いください。お疲れ様でした。
AppCloudをアンインストールする方法
AppCloud自体を、無効ではなくアンインストールしてもOKです。
アンインストールには adb shell を利用します。この操作にはMacやPCが必要になります。
*adbについては本記事では紹介しません。あしからずご了承ください。
シェル内での構文は次のようになります。(ドコモ版・au版ともに)
adb shell pm uninstall --user 0 com.aura.oobe.samsung.gl
これで、AppCloudをGalaxyスマートフォンからアンインストールできます。
*他メーカーでは、AppCloudは異なるパッケージ名かもしれません。aura とかoobe とかで検索すれば引っ掛かります。
なおアプリ名の oobeとは「Out-Of-Box Experience」のこと。製品の購入後、箱から出して使用可能にするまでの一連の手順を指します。また、その際に表示・操作する初期設定のための画面のことで、AppCloudの挙動に合致します。
【解説】ironSourceとサムスンのパートナーシップ
サードアプリの製作者は、このAppCloudプラットフォームを利用することで、ユーザにアプリのインストールを促すことができます。またユーザーの行動や、プレイ時間などのデータを取得して、アプリ内部の動きについての知見を得られます。
ironSourceを利用すると、サードのアプリ製作者はユーザの属性に応じたアプリを提案し、顧客を獲得することができます。サードアプリ製作者にとっては良い話のように思われます。
サムスンは、ironSourceとのパートナーシップをより強固なものにしつつあります。
*ironSourceは、アプリ開発者に対して、AppCloudと提携して自社のアプリが最初にインストールされるようにしないかと呼びかけています。
これまでサムスンはAppCloudをGalaxy スマートフォンにインストールしてきましたが、低価格・中価格のGalaxyが対象でした。
今回、高価格の国内版Galaxyスマートフォン、特にZ Fold 5や Z Flip 5にさえAppCloudが搭載されたことを知り、私は少なからず驚いております。
なお、ゲームエンジン「Unity」を手掛ける米Unity Softwareは2022年、このイスラエルのアプリ収益化企業ironSourceと合併を完了しました。UnityがAdWare企業になったことは覚えておいて良いでしょう。
最後に
以上、 AppCloud を停止したり、アンインストールしたりする方法について述べました。
最新のスマートフォンを購入したり、最新のAndroid OS をインストールしたりするとAppCloudが強制的にプリインストールされることがあります。
AppCloudは、ユーザに不要なアプリを押し付けるだけではなく、さらにバックグラウンドで動いてユーザの行動を監視し続けます。
AppCloudはどうしようもないストーカーアプリです。不快で気持ち悪いこと、この上ないです。
KDDI様提供のプリインアプリ「App Cloud」が端末初期設定の中でアプリをインストールする流れがあるようです。
お客様へのおすすめアプリが表示され、デフォルトで複数のアプリが選択された状態になっており、画面を進めるため「インストール」を押すとそれらアプリがインストールされます。— FCNT株式会社 (@FCNT_Ltd) April 26, 2022
もしお使いのGalaxyをはじめとするAndroidスマートフォンにAppCloudが入っていたら、このページの情報に従って、停止や削除をしてください。快適になります。
スマホメーカーは、快適なAndroid体験を台無しにするようなAppCloudの搭載は直ちに停止されるやめるべきです。
アプリをユーザに使わせて小金を稼ごうとするメーカーの姿勢を見るのは残念です。私はAppCloudが仕込まれた Androidスマートフォンを二度と買うつもりはありません。
私は au のGalaxy S21 を使っていて、AppCloudに出会ってしまって、ついには売ってしまいました。
ドコモの Galaxy S22に乗り換えたら、Android 14を機にAppCloudが入ってしまいました。もう逃げ場がありません。
さらに知りたい方は、以下の当サイトの記事をご参照ください。