Samsung DeXは、ハイエンド Galaxy スマートフォンや Galaxyタブレットで使える機能です。
このDex を利用すると、スマホやタブレットがまるでデスクトップPCのようになります。
目次
Samsung DeXで、Galaxyを大画面で楽しむ
例えば、Galaxy スマートフォンをPCの外付けディスプレイにつなぐと、このDeX機能を利用して大画面でアプリを楽しむことができるのです。
DeXはミラーリングとは異なります。ミラーリングはスマホの画面をそのまんま表示するだけですが、DeXはキーボードやマウスを繋いで操作することができます。
Dexで使用するディスプレイ・キーボード・マウスがGalaxyの機能をさらに引き出してくれます。
Samsung DeXは日本語入力が苦手だ
Samsung DeXは歴史があります。
2017年に発売された Galaxy S8、Note 8の頃からの機能ですから、すでに5年間の歴史があるのです。
過去には「Linux on DeX」というプロジェクトがあるなど、かなりギークに寄せた製品だったんですよ。
私自身、Samsung DeXの先進性にロマンを感じており、周辺機器 DeX Pad を購入したり、Linux on DeXを楽しんだりしました。
ところが、Samsung DeXは周りの人々にそれほど勧めたい機能ではなかったのです。特に日本語ユーザにとっては。
理由は、DeXで動作するGalaxyキーボードの日本語変換品質が著しく劣っているためです。
Samsung DeXという素晴らしい箱があるにもかかわらず、その中で日本語で執筆しようとすると、変換結果が酷すぎて「これでは使い物にならない」という感想しか出てこないのです。
Androidで日本語変換を行なってくれるアプリは、例えばGboardやGoogle日本語入力、ATOKなどがあります。
これらをSamsung DeXで利用できればいいのですが、DeXがGalaxyキーボードを強制的に固定しているのです。
上の記事は、2018年の記事ですが、4年経っても一向に改善しません。
2022年4月時点においても、Samsung DeXとGalaxyキーボードの相性はちっとも良くなっていません。
Galaxyの新製品が出るたびに「今回はDeXが使い物になるだろうか」と薄く期待するのですが、その愚かな期待はあっさりと裏切られ続けてきました。
Samsung DeX で Gboard を利用可能にする「ちーさまメソッド」
ところが朗報が飛び込んできました。
Samsung DeXでGalaxyキーボード(Samsung キーボード)を使わず、日本語変換アプリ「Gboard」 を利用可能にするメソッドがあります。
それがちーさまメソッドです。こちらの記事をご覧ください。
▶︎▶︎ Samsung DeX で Gboard を使う(ちーさま)
ちーさまメソッドのポイントは、DeXのデフォルトキーボードであるGalaxyキーボード(Samsung キーボード)を、アプリTaskerを利用して直接Gboardの設定値に書き換えることです。
Galaxy スマートフォンや Galaxyタブレットのほか、adbが使える環境(MacやPC)をお持ちでしたら簡単に設定が可能です。
▼ Galaxy DeXでGboardを使うと日本語変換が賢い。
ちーさまメソッドを利用したハックは、私が試した限り安定しています。
adbが使える環境が必要なので、MacやPCが必要にはなりますが、これらさえ入手していただければ、ちーさまメソッドを利用することでDeXが飛躍的に使いやすくなります。
【動作報告】au版Galaxy S21 (SCG09)で、Samsung DeX 上で Gboard が利用可能になった
動作報告です。手持ちのau版のGalaxy S21 (SCG09)でちーさまメソッドを試してみました。
▼ Galaxy S21のSamsung DeXの画面です
▼ 標準キーボードに「Gboard」が選ばれているのが確認できます。
本来、ここは「Galaxy キーボード」で固定されているのですが、ちーさまメソッドのおかげでGboardになっています。
えへへへ pic.twitter.com/JHlQvNE2Sx
— ギャラフォン.net (@galaphonenet) April 18, 2022
▼ Samsung Dex のバージョンは4.1.26.4 (執筆時点最新)
【動作報告】香港版Samsung Galaxy S9 (SM-G9600)で、Samsung DeX 上で Gboard が利用可能になった
もう一台、手持ちの香港版Samsung Galaxy S9 Dual-SIM (SM-G9600) で試してみました。
▼ Galaxy S9のSamsung DeXの画面です
▼ 標準キーボードに「Gboard」が選ばれているのが確認できます。
香港版Samsung Galaxy S9の標準キーボードはSamsung キーボードです。海外モデル用のインプットメソッドです。
このSamsung キーボードも、日本語変換はDeX上ではひどい品質です。
しかし、ちーさまメソッドのおかげでGboardに変更できています。
▼ Samsung Dex のバージョンは3.8.50.7 (Galaxy S9としては執筆時点最新)
留意すべき事柄
ちーさまメソッドは Tasker を利用することで、Samsung DeX で起動する日本語変換アプリを Gboardに強制的に書き換えています。
従って、Taskerが起動している状態からSamsung DeX を起動するという手順を踏むべきです。
例えば、Galaxy スマートフォンが画面オフの状態から USB-C ケーブルを繋いで画面をオンにすると、Taskerが起動しないでSamsung DeX が起動します。
この場合、日本語変換アプリを Gboardにはなりません。
もう一点、Taskerに十分権限を与えてあげないとちーさまメソッドうまく動作しません。もしうまくいかない場合は、Taskerの権限を見直すと良いでしょう。
この2つの点は、私自身少しハマった点ですので、ご参考までお伝えいたします。
まとめ:Samsung DeXで日本語を打ちまくれ
以上、Samsung DeX で Gboard を利用可能にする「ちーさまメソッド」についてご紹介しました。
ハイエンド Galaxy スマートフォンや Galaxyタブレットをお持ちの方は、Samsung DeX を利用できます。
これまでDeXは日本語入力がうまくいかないので、日本のユーザには動画を見たりゲームを遊んだりするぐらいしか使い道がありませんでした。
しかし、ちーさまメソッドのおかげで、生産性を求める日本語ユーザにとってSamsung DeXが魅力的なものになりました。
DeX上で、Wordを用いて文章を執筆したり、メッセンジャーアプリを複数開いて用いてメッセージを書いたりできます。これは最高に楽しいことです。
ちーさまメソッドを利用して、ハイエンド Galaxy スマートフォンや GalaxyタブレットでGboardをお楽しみください。